女喰い聖書・企画2006年4月4日
【寧々テキスト〜第十三話〜】




■2001年4月19日・更新 <第十三話>

『口付け』

…………

何度も何度も口唇が触れ合った。触れ合う数だけ、その度、情熱が身体を駆け回る。

「…やべーよ。マジでやべェ…」

自分の気持ちが上がりすぎて、心が暴走していた。また口唇が触れ合う。

「…お前、マジで私のこと好きなんだ?」

また口唇が触れ合う。

「…わりィかよ?」

また口唇が触れ合う。

「……んッ」

また口唇が触れ合う。

「…そうか。わりィんだっけ?」

また口唇が触れ合う。

「…ううん。悪いのは」

また口唇が触れ合う。

「…それ以上、言うな」

また口唇が触れ合う。

「…でも」

また口唇が触れ合う。

「…いいから」

また口唇が触れ合う。

「…私もこずえに」

また口唇が触れ合う。

「…うるせー」

また口唇が触れ合う。

「…言わないと」

また口唇が触れ合う。

「…うるせーよ」

また口唇が触れ合う。

「………」

また口唇が触れ合う。

「…もう、しゃべるな」

いつまでも、口唇が触れ合う。





――――





俺たちは寧々の家へ向かっていた。どちらから誘ったわけでも提案したわけでもない。ごく自然にその方へ自転車を引いて一緒に歩いていた。

その間、たくさんの話をした。こずえとのこと。寿司BARを飛び出した後に噴水公園前のミスドに行ったこと。こずえからの電話後、いったんミスドを出て、目の前にある噴水公園で電話をかけたこと。電話から聞こえた噴水の水音を頼りに飛んできたこと。またミスドに戻り、考え事をしていたこと。帰ろうとしたら噴水前に俺の姿が見えたこと。

あっという間に寧々の家へ到着する。玄関の扉を閉めると、俺たちはまた口唇を触れ合った。