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女喰い聖書・企画2006年4月4日 【寧々テキスト〜第二十話〜】 <第二十話> 2001年5月26日の日記リニューアル 『大阪初夏の陣・@』 ――京都のとある旅館にて。 「もしもしも〜?俺だけど」 「おうよ♪どうした!?」 「実は今よー、京都に出張に来ててさ」 「え!?うそ!?え、いつまで??」 「明日まで。だから明後日、逢いにいくからよろしこ〜」 「え!?え!?え!?急に何言ってんの?(汗)」 「驚かせようと思ってさ」 「驚いたよ!っていうか、そういうことは早めに言え!」 「怒るなよ(汗)。ま、逢いたく無ぇなら大人しく埼玉に帰るけど?」 「誰も逢いたくないとは言ってないだろ!」 「じゃーOK?」 「う〜〜ん、、、まあ、いいけど…」 「あんま嬉しそうじゃねぇな?」 「嬉しいとかじゃなくて、急だから仕事休み取れないしさー、次からちゃんと言えオメェ?」 「あ、はい。すみません…汗」 「で。土曜日の何時に来るの?」 ――つーわけで、とっておきサプライズが見事なまで失敗し、渋々寧々の了承を得た俺は、出張先での仕事を終わらせ週末休みを利用がてらの大阪へやってきた。滞在期間は月曜の有休を合わせ2泊3日。なんと寧々のやつは密かに日曜の休みを取ったようで、それを聞いた時の俺は大いに驚き嬉しがったという、あ、これが本当のサプライズってやつだな、と思わざるおえないこともあり、要するに初夏の大阪での二人の時間はそれなりにありそうだ。ということ。 浮かれ気分で昨夜はロクに眠れなかった俺は待ち合わせ時間の午前8時きっかりに待ち合わせ場所へ到着した。大阪カムバック!である。ちなみに寧々はまだ来ていない。俺は現在位置を確認すべく寧々の携帯を鳴らしてみるが、呼び出し音が響くだけで出る気配がなかった。 5分。15分。30分…時間が経つにつれ、その度に携帯を鳴らしてみるが結果は同じで、出ない。出張先に携帯の充電器を持参してこなかったこともあり、電池はぐんぐん減っていき、とうとう電池切れ寸前の1メモリまでになってしまった。 「なにやってんだアイツは!!!」 さっきまでの浮かれ気分もどこかに吹き飛んでしまって、苛立ちとともに焦り始めた俺。そりゃそうだろう?俺ってば大阪の地は1度しか踏んでいない超初心者で、右も左もわからない。このまま携帯の電池が切れてしまえば、連絡手段がなくなり、俺はこの地で路頭を彷徨うこととなる。たしか寧々の仕事は深夜1時に終わる。留守ってことはたぶん無い。携帯に出ない理由として考えられるのは…「寝ている」か。 ならば起きるまで電話を鳴らし続ければいいが、あと3回くらい電話するとこっちの電池は切れそうな予感だ。やべー。マジでやべー。どうする?この場所でいつ来るかわからない待ち人を延々待ち続けるか。っていうか埼玉帰れ俺。 焦りすぎて即席充電器の存在を忘れていた俺は暫く考えると、寧々家へ向かうことを決意した。止まっていることより動くことを優先した、山で遭難したら完全OUTな人種のカテゴリーに入ること間違いなしの決意である。 本当に自慢じゃないが右も左もわからない。そんな人が寧々家までの道のり(自転車で約30分)を覚えているかというと、ぼんやりと…いや、潜在意識の超片隅にミトコンドリアに寄生する虫の大きさ程度、要するに覚えていない。地域名や近所のちょっとした有名どころの建物名も同じく、だ。ゆえにタクシーもバスも使えるはずもなく。 こうなるんだったら春先にちゃんと道を覚えておくんだったと、5月で紫外線がすこぶる強く降り注いでいるアスファルトの道を後悔しながらカンを頼りに歩きはじめた。 しかし人間やればできるものである。左右に分かれた道に幾度と無く頭を抱えながら、カンを頼りに彷徨うこと1時間、寧々家の近所のコンビニにたどり着いたのだった。その時ばかりは己の方向感覚に自画自賛したね。 汗だくのTシャツが肌に吸い付いていてとても気持ち悪く思っている俺とは反面、気持ち良さそうに寝息を立ているだろう寧々。考えるだけではらわたが煮えくり返ってくる。まずはピンポン連打で叩き起こしてから、どんな言葉でブチギレでやろうかと考えていたところに寧々から電話がかかってきた。 「もしもし〜〜。今どこにいるのぉ?♪」 ……開いた口が塞がらなかった。俺の苦労を知るはずもないが、仮に待ち合わせ時間から2時間は経過している待ち合わせ相手が、そんな軽いタッチの声のトーンで電話を掛けてくるとは。まったくどういう神経してんだと思った時、さらにはらわたが煮えくり返ってきたが、その理由はすぐにわかった。 「ひっく。。」 酔っ払っていたのである。 「汗………」 「もしもし〜〜???」 ブチ。 「お前こそドコにいるんだよ!!!」 「お客と飲んでるぅ」 「何時だと思ってやがんだよ!どこで飲んでやがる!」 「…どっか。らんが知らないとこ…ひっく」 「いやぁ、さっぱりした。お前もシャワー浴びて来いよ?」 「え!?うん。わかった…わかったから。ちょっと黙ってて!(素)」 「……なんだよー!!!待てるのか待てないのか?どっちだよ!!!」 「いや……。っていうかさぁ?汗」 「どっちだって聞いてんだよ!!!」 「…あ、うん。とりあえず待ってるわ…汗」 受話器の向こうから聞こえてきた知らぬ男の声。それを聞かれぬようにいきなり大声で話しだし逆キレしてきた寧々。それを聞いた時、決して酔っ払っているように思えなかった俺。これは遅刻がどうとかという問題以上の問題が起こっているようで、波乱万丈の大阪滞在幕開けとなった。 |