女喰い聖書・企画2006年4月4日
【寧々テキスト〜第三十一話〜】




<第三十一話> 2001年6月24日の日記リニューアル 


『愛と憎しみの始まり・A』

完全にイカれてしまった俺は仕事中もぼーーっとしてる日が多くなった。いつも上の空でタバコ休憩が多くなって、煙を吹かしながら考えることは「寧々は今、なにをやっているのだろう?」だ。しかもそれに留まらない。帰りの電車でも窓の外を眺めながら寧々の幻影を思い浮かべてひらすらぼーーーっとしている始末だ。何をやるにしても寧々のことを考える時間が多くなっていた。

まったく純情気取りもいいところだ。まるで片思いのサッカー部の先輩をグランド外で見つめる後輩乙女のよう。ふむ。我ながら気持ち悪い。女なら様になるかもしれぬが、男だと気持ち悪い他ない。どっぷり自分のワールドに逝っちゃってる俺。やっべーなーマジで重症だ。

だが、その気持ち悪さや重症に自覚しつつも、このような自分を正当化する自分がいるもんで、正当化の内容はこんな感じだ。

「好きな女のことを何時も考えて何が悪い?好きな女にだったら毎日でも逢いたいと思うのは普通だろう?」

ってね。そう。普通なんだよ今の俺。まぁ何を持って普通と定義するかは割愛させていただくが、だってさ、みんなだってそうでしょう?

だからもっと深く考えている俺も普通なはずだ。

「俺はなんでここにいるのだろう…寧々がいないのに」
「俺はここで何をしているのだろう…寧々がいないのに」

な?な?好きな人に対してみんなもそう深く考えてしまうだろう?まぁ、というちょっとくずした接続語でもう1度続けて言うと、俺の場合、それが「愛」なのでは?と悟ってきたけどな。やっぱさー、愛だよ愛。うん。

愛はすごいね。

まず寧々以外の女に興味がわかなくなるもんね。だからもうバッサリ切ろうと思って。ちょっと急だけどしょうがないよね。仲良かった女に電話かけないし、かかってきても素無視。麻衣子からの電話もね。ストーカー被害の後遺症が少し残っていて、夜中、少しの足音にビビって不安定になってちょくちょく電話してくるんだけさー、それももう電話に出ることはしない。しょうがないよね。

え?寧々以外の女性とセックス?…有り得ない!俺の心と身体は愛する人だけの物ですから。そして寧々の心と身体も俺だけの物ですから。この世で一番特別な男女…いやぁ、愛って素晴らしい!

ただ地元の男友達は「女を何だと思ってやがる!この気まま野郎が!!!」って説教してくるけどさー、所詮、愛を知らない野郎の戯言だよね。気まま野郎なのは何人もの女性と関係を持っていたちょっと前の俺のことでしょ?

そのかわり寧々への電話の回数は増えたね。ちょっとした時間があったら電話してる。話すことは今現在の状況っぽいことで他愛もないことだけどさー、ほら、お互い声は聞きたいに決まってるじゃない?愛ゆえに。

あ。そうそう。俺、門限も自分で作ったんだ。あまり夜中まで遊んでいると寧々が心配しちゃうでしょ?だから。なんかさー、すげぇ尽くすヤツだよな俺。寧々にも門限を作ってあげてはどうか?そうすると俺も安心するわけだし。お互い安心できる状況を作るってやっぱ大事じゃん?

んで、安心っていえば、男友達と遊ぶの禁止でしょやっぱ。俺も女と遊ばないし。いつ浮気になっちゃうかわかったもんじゃないからなー。芽は潰しておかないとねー。これでますますお互い安心だ。安心して愛し合っていける。


ってなわけで色々なルールが出来ちゃったけど、しょうがないんじゃない。だってそれが普通でしょ?