女喰い聖書・企画2006年4月4日
【寧々テキスト〜第三十二話〜】




<第三十二話> 2001年6月25日の日記リニューアル 


『愛と憎しみの始まり・B』

理想の二人になるため。安心して互いが愛せるように愛ゆえのルールが二人の間にたくさん増えていったのは普通なことだと思うが、ルールが増えるとルールが守れない時が増えてくる。

●愛のルール「約束したことは守る」

今夜、電話がくるはずだった。昼間に「今夜21時頃、電話すんね」って寧々からメールが送られてきたのだ。「OK!待ってる」って返事をした瞬間、二人の間に”約束”がかわされたことになる。

俺は俺で昼間の仕事中は有頂天ですわ。寧々の声が聞けるって思っただけで心が弾んだし、話したいことだってたくさんあった。いや、別に実のある話ではなくて身近に起きた他愛も無い話だが寧々に聞いて欲しいからな。

仕事を終えた俺は颯爽と家路に着き、夕食にかぶりついたらシャワーを浴びていつでも電話に出られる体勢を整える。我ながら見事なまえの手際よさだったと思う。うん。

電話が鳴るのを今か今かと待ち続けている俺。電話1つで完全に浮かれまくっている俺。なんなんだ、このキラキラした世界は。とても美しいじゃないか。しっかし俺も変わったよな。たかだか電話1つでご主人様が帰ってくるのを待ちわびる子犬のように楽しみにしているとは。これで電話がかかってきたらシッポ振って喜ぶんだろうな。寧々が俺を変えてくれたかもしんねーな。しかもこんな自分が不思議と嫌いじゃないからね。



――で、上記のように電話がかかってくるのを待っていたんだけど、21時が過ぎ、22時になっても電話がかかってこねぇ…。



俺から電話をしても良かったのでしょう。でもさ、電話するって言ったじゃん?ル−ルはちゃんと守ってもらわねぇと。何があったか知らねぇけどさー、思いやりがあるならメールでもちょこっと電話でもいいからルールを守れない理由を言ってくれないと。何やってるかすんげぇ気になって趣味の音楽鑑賞もロクにできないじゃんか。

ま。さらに1時間待ってみたところで、掛かってくる気配が一向にないのを感じて俺から電話してみたけどね。繋がることはなく真っ先に留守番電話サービスに接続されちゃったけどね。



…なんで?



アイツ、約束を破った上に連絡がつかないなんてどういうこと?っていうか携帯の電源切ってね?誰かといるから?約束破った上に誰かといるんだ。へぇ〜、アイツってそういう女だったんだな。あ、そっか。別に俺のこと実は好きでも愛してもいないんだ。全然愛されてる気がしねぇし。なんかさームカツクよね。俺ばっか一途でさー。あ、そうだ。今後、こんなことが起きないように電話させる回数増やして、ルールももっと増やして厳格にしねぇと。アイツも俺のようにに一途になってもらわないとこのムカツク感情は治まりそうにない。それにしてもムカツクわぁ。くそったれ!



――「愛」から疑心暗鬼に。疑心暗鬼から被害妄想に。心がパっと弾ければ、憎しみが生まれてきたのであった。